Column コラム

「OJT」という名の”現場に丸投げ”に要注意! 新入社員の定着率が低くなりやすい職場とは

「OJT」という名の”現場に丸投げ”に要注意! 新入社員の定着率が低くなりやすい職場とは

はじめに

近年、多くの企業で「Z世代の新入社員が定着しない」「数ヶ月で辞めてしまう」といった課題が聞かれます。

その背景には、従来型のOJT(On-the-Job Training)とのミスマッチがあることが少なくありません。

Z世代が育ってきた環境や価値観を踏まえると、彼らにとって機能しにくいOJTの特徴と、その改善策を見直す必要があります。

 


定着率が低くなりやすいOJTの特徴

  1. 属人的・曖昧な指導
    • ベテラン社員の「見て覚えろ」「空気を読め」といった指導スタイルは、Z世代には不明瞭に映ります。
      何をどうすればよいか分からず、早期にストレスを抱えてしまうことがあります。
       
  2. 目的や背景の説明不足
    • 作業の「なぜ?」に答えず、ただ手順だけを教えるOJTでは、Z世代の「意味を求める価値観」に応えられません。
      納得感が得られず、モチベーションの低下につながります。
       
  3. フィードバックの少なさ・遅さ
    • 「できているのかどうか分からない」「褒められないし、改善点も分からない」という状態が続くと、Z世代は不安や無力感を抱きやすくなります。
       
  4. 心理的安全性の欠如
    • 指導者が感情的だったり、質問しづらい雰囲気があると、Z世代は萎縮しやすくなります。
      自己開示や意見の発信ができず、組織とのつながりを感じにくくなります。
       

Z世代に合ったOJTへの改善策

  1. 構造化されたOJTプログラムの導入
    • OJT内容を体系化し、到達目標・評価基準を明示することで、Z世代に安心感と納得感を与えることができます。
      OJTチェックリストや進捗シートを活用するのも効果的です。
       
  2. 「意味づけ」を重視する指導
    • 単なる手順の伝達ではなく、「なぜこの仕事が重要なのか」「どのような価値があるのか」といった背景を説明することで、Z世代の納得感とエンゲージメントを高められます。
       
  3. こまめなフィードバックと対話の機会
    • フィードバックは「月に1回」ではなく、「週に1回以上」「小さな進歩も言語化して褒める」が基本。面談や1on1を通じて、本人の価値観や悩みも拾い上げましょう。
       
  4. 心理的安全性を確保する育成環境
    • 「質問してもいい」「失敗しても責められない」といった安心感を醸成することが、Z世代の主体性や成長を引き出します。OJT担当者には傾聴力や共感力も求められます。
       

おわりに

Z世代は「やる気がない」「根性がない」と片付けられがちですが、彼らには彼らなりの価値観と特性があります。

OJTをアップデートすることで、Z世代の強みを活かし、定着率と戦力化スピードを大きく高めることが可能です。

今こそ、育成の質が企業の未来を左右する時代です。

OJTの仕組みづくりから研修実施まで是非ご相談ください。